お中元をいただいたら、
きちんとお礼状を出すのが大人のマナー。
でも
「どんな言葉を使えば良いの？」
「時期によって季語は変えるべき？」
と迷ってしまいますよね。
特に8月は、
残暑の時期ならではの
挨拶や気遣いが求められる大切なシーンです。
この記事では、
8月のお中元お礼状の
正しい書き方や送り方、
企業・上司・親戚・友人といった
相手別の使える例文を豊富にご紹介します。
メールやLINEでの対応方法や、
失礼にならないマナー違反の
避け方もバッチリ解説。
読み終わった瞬間から
「そのまま使える」お礼状文例が
手に入る保存版ガイドです。
お中元のお礼状とは？8月にふさわしい文章の基本
お中元のお礼状は、
贈り物をいただいた際に
感謝の気持ちを伝える、
日本ならではの大切なマナーです。
特に8月は「残暑お見舞い」
とも重なる時期なので、
季節感を意識した言葉選びや、
相手を気遣う心配りがポイントになります。
お中元のお礼状の役割とマナー
お中元のお礼状は、
単なる「ありがとう」では
終わらないご縁を深めるツールです。
贈り物が届いたことへの「受け取り報告」や、
「品物への感想」を丁寧に伝えることで、
相手への敬意や感謝が伝わります。
| 役割 | ポイント |
|---|---|
| 受け取り報告 | 品物が確かに届いたことを伝える |
| 感謝の気持ち | 贈り物を選んでくれた心遣いに対するお礼 |
| ご縁を深める | 相手の健康や繁栄を祈る言葉で締めくくる |
形式にとらわれず、
「あなたらしい感謝の気持ち」
を込めることが一番大切です。
8月ならではの書き方のポイント
8月のお礼状は、
「暑さが続く時期」に
相手を気遣う言葉選びがカギです。
以下のような季語や表現を使うことで、
季節感のある美しい文章になります。
| 8月前半 | 8月後半 |
|---|---|
| 猛暑の候 / 盛夏の候 | 残暑の候 / 処暑の候 |
| 入道雲 / 蝉しぐれ | 秋風 / 虫の音 |
また、
「暑さ厳しき折」
「体調など崩されませんようご自愛ください」
といった健康を気遣う一文を
必ず入れましょう。
ビジネスと個人で異なるお礼状の心構え
お中元のお礼状は
「相手との関係性」に合わせた文面が
求められます。
| ビジネス向け | 個人向け |
|---|---|
| 形式を重視し、丁寧で堅実な文章 | 親しみやすく柔らかい表現を意識 |
| 時候の挨拶、結びの挨拶をきちんと | 具体的なエピソードを盛り込む |
「ビジネスは礼節を、
個人は気持ちを」大切にすると、
相手にしっかり伝わるお礼状になります。
お中元のお礼状を書くタイミングと形式
お中元のお礼状は
「早ければ早いほど良い」と言われますが、
具体的にいつまでに、
どんな形式で送るのが
マナーなのでしょうか？
この章では、
送るタイミングや封書・ハガキ・メールの
使い分け方を解説します。
お礼状は「品物到着後3日以内」が基本
お中元のお礼状は、
品物を受け取ってから
できれば当日、遅くとも3日以内に
出すのが理想です。
「受け取りました」という
報告も兼ねているため、
遅くなるほど失礼になります。
| タイミング | 対応 |
|---|---|
| 受け取った当日〜翌日 | 最も好印象。即お礼状を投函 |
| 3日以内 | ビジネスマナーとして許容範囲 |
| 4日以降 | まず電話やメールでお詫びし、追ってお礼状 |
忙しくても「3日以内」の
ルールは死守しましょう。
封書・ハガキ・メール 使い分けのマナー
お礼状の形式は
「相手との関係性」に応じて選びます。
| 形式 | 適した相手 | ポイント |
|---|---|---|
| 封書（縦書き） | 取引先・上司・恩師など目上の方 | 最もフォーマル。白無地封筒が基本 |
| ハガキ | 親戚・友人・同僚 | カジュアルすぎない文面ならOK |
| メール | やむを得ない場合や親しい相手 | 丁寧語・時候の挨拶を忘れずに |
迷ったときは
封書で送るのが間違いありません。
手書きが最も丁寧！でもボールペンでもOK
「お礼状は毛筆で書かねばならない」
と思いがちですが、
最近はボールペンや万年筆でも
問題ありません。
ただし、
以下のルールは守りましょう。
- インクは黒か濃紺
- 鉛筆・カラーペンはNG
- 消えにくい耐水性インクを選ぶ
また、
印刷された文面でも、
最後に「手書きで一言添える」だけで、
印象がぐっと良くなります。
| 書き方 | ポイント |
|---|---|
| 毛筆 | 最も丁寧だが、苦手なら無理しなくてもOK |
| ボールペン・万年筆 | 最近は主流。黒・濃紺を選ぶ |
| 印刷＋手書きコメント | 時間がない場合の妥協案。一言が大切 |
形式にこだわりすぎず、
「気持ちを込める」ことが
一番のマナーです。
8月のお中元お礼状で使える時候の挨拶
8月のお礼状では、
季節感を表す
「時候の挨拶」がとても大切です。
この章では、
立秋前後で使い分けるべき季語や、
相手別に使える気遣いの言葉を
具体例とともにご紹介します。
立秋前後で使い分ける季語一覧
8月は「暦の上では秋」ですが、
まだまだ暑さが続く季節。
そのため、
時期に合わせた
季語の使い分けがポイントです。
| 時期 | おすすめ季語 | 例文 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 盛夏の候 / 猛暑の候 | 拝啓 盛夏の候、 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
| 8月中旬（立秋頃） | 立秋の候 / 残暑の候 | 拝啓 立秋の候、 皆様にはご健勝のことと存じます。 |
| 8月下旬 | 処暑の候 / 晩夏の候 | 拝啓 処暑の候、 貴殿におかれましては ご清祥のこととお慶び申し上げます。 |
また、
「入道雲」「蝉しぐれ」「虫の音」など、
情景をイメージさせる言葉を盛り込むと
一気に季節感が伝わります。
相手別に使える「気遣いの言葉」例
お礼状では、
時候の挨拶に続けて
相手の健康や繁栄を祈る一文を
添えるのがマナーです。
以下に、
ビジネス・親しい相手それぞれに使える
「気遣いの言葉」例をまとめます。
| 相手 | 例文 |
|---|---|
| ビジネス（企業・上司） | 貴社におかれましては、 益々のご繁栄と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。 |
| ビジネス（担当者個人） | 貴殿におかれましては、 ご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
| 親戚・恩師 | 暑さ厳しき折、 くれぐれもご自愛くださいませ。 |
| 友人・知人 | 毎日暑い日が続きますが、 お元気でお過ごしくださいね。 |
相手の立場や関係性に合わせて、
フォーマル・カジュアルを使い分けましょう。
時候の挨拶＋気遣いの一言で、
グッと心が伝わるお礼状になります。
【ビジネス用】8月のお中元お礼状 例文集（企業・上司向け）
ここでは、
ビジネスシーンでそのまま使える
「企業宛」や「上司宛」の
お中元お礼状の例文を、
8月上旬・中旬・下旬の
時期別にご紹介します。
メールで送る場合の文例も含めて
合計12パターンご用意しました。
8月上旬（盛夏の候）の例文3選
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 取引先企業宛 | 拝啓
盛夏の候、 このたびは 社員一同、 暑さ厳しき折、 敬具 |
| 上司宛 | 拝啓
盛夏の候、 このたびは心温まるお中元の品を頂戴し、 酷暑の折、 敬具 |
| ビジネス担当者宛 | 拝啓
盛夏の候、 このたびはご丁寧なお中元の品を賜り、 末筆ながら、 敬具 |
8月中旬（立秋の候）の例文3選
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 取引先企業宛 | 拝啓
立秋の候、 このたびはお心のこもったお中元を賜り、 厳しい暑さが続いておりますが、 敬具 |
| 上司宛 | 拝啓
立秋の候、 このたびはご丁寧なお中元の品を頂戴し、 今後とも 敬具 |
| ビジネス担当者宛 | 拝啓
立秋の候、 このたびは心温まるお中元のお品を賜り、 末筆ながら、 敬具 |
8月下旬（処暑の候）の例文3選
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 取引先企業宛 | 拝啓
処暑の候、 このたびはご丁寧なお中元の品をお贈りいただき、 残暑厳しき折、 敬具 |
| 上司宛 | 拝啓
処暑の候、 このたびは結構なお中元の品を頂戴し、 時節柄、 敬具 |
| ビジネス担当者宛 | 拝啓
処暑の候、 このたびはお心遣いのお中元を賜り、 末筆ながら、 敬具 |
メールで送る場合の例文3選
| 宛先 | 件名 | 本文 |
|---|---|---|
| 企業宛 | お中元のお礼（株式会社〇〇） | 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇様いつも大変お世話になっております。 このたびはご丁寧なお中元の品を賜り、 猛暑が続いておりますが、 |
| 上司宛 | お中元の御礼申し上げます（〇〇部長へ） | 〇〇部長
平素は格別のご高配を賜り、 このたびは 残暑が続きますが、 |
| 担当者宛 | お中元のお礼（〇〇様） | 〇〇様
いつもお世話になっております。 このたびは 末筆ながら、 |
メールでも
「丁寧語＋時候の挨拶」を
忘れずに書くことが大切です。
【個人用】8月のお中元お礼状 例文集（親戚・友人向け）
この章では、
親戚や恩師、
友人宛に送るお中元のお礼状例文を、
フォーマル・カジュアル・メールや
LINE用と
3パターンに分けてご紹介します。
相手との距離感に合わせて
使い分けてください。
フォーマルな例文3選（親戚・恩師向け）
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 恩師宛 | 拝啓
残暑厳しき折、 このたびはご丁寧なお中元の品を頂戴し、 いただいた〇〇は、 末筆ながら、 敬具 |
| 親戚宛（目上の方） | 拝啓
処暑の候、 このたびは結構なお中元の品をお贈りいただき、 まだまだ暑さが続きますので、 敬具 |
| 義理の親戚宛 | 拝啓
晩夏の候、 このたびはご丁寧なお中元を頂戴し、 暑さ厳しき折、 敬具 |
カジュアルな例文3選（親しい友人向け）
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 親しい友人宛① | 拝啓
連日の猛暑が続いていますが、 このたびは素敵なお中元を送ってくれて、 さっそく家族でいただき、 まだまだ暑い日が続くから、 敬具 |
| 親しい友人宛② | 拝啓
残暑厳しき折、 〇〇さんからのお中元、 みんなで美味しくいただきました。 また近いうちに会えるのを まずはお礼まで。 敬具 |
| 親しい友人宛③ | 拝啓
処暑の候、 このたびはご丁寧なお中元をいただき、 日々の暑さが続きますが、 敬具 |
LINE・メールで送るライトな例文3選
| 宛先 | 例文 |
|---|---|
| 友人宛（メール） | 件名: お中元ありがとう
〇〇さん 先日は素敵なお中元を 家族で美味しくいただきました！ まだまだ暑い日が続くけど、 |
| 親戚宛（LINE） | 〇〇さん、 こんにちは！お中元、 ありがとうございました。 家族みんなで楽しくいただきましたよ。 残暑厳しいので、 |
| 親しい友人宛（LINE） | お中元届きました！ ありがとう〜！さっそく家族で楽しませてもらってます♪ 暑い日が続くけど、 |
親しい相手には
「素直な感謝の気持ち」
を込めるのが一番大切です。
お礼状のNG例と失礼にならないための注意点
どんなに丁寧に書いたつもりでも、
うっかりマナー違反を
してしまうことがあります。
この章では、
お礼状でやってはいけないNG例や、
失礼にならないための
フォロー文例をご紹介します。
送る時期が遅れた場合のフォロー文例3選
お礼状を出し忘れてしまった場合、
まずはお詫びの言葉を添えるのが
マナーです。
| 例文 |
|---|
| 拝啓
残暑厳しき折、 このたびは結構なお中元の品を頂戴し、 ご挨拶が遅れましたこと、 |
| 拝啓
処暑の候、 このたびはご丁寧なお中元の品を賜り、 お礼が遅くなりました |
| 拝啓
晩夏の候、 このたびはご厚意にあずかり、 ご連絡が遅くなり、 |
遅れても必ず出すこと。
それが最も大切なマナーです。
毎年同じ文章はNG？文面アレンジのコツ
毎年お中元をいただく場合、
文面がワンパターンになると
「形式的」と思われかねません。
以下のように、
季節感や今年の出来事を
盛り込むだけで印象が変わります。
- 「〇〇様からのスイーツは
毎年家族の楽しみです。」 - 「昨年に続き、
今年も心温まるお品をいただき、
感謝申し上げます。」 - 「今年は例年以上の暑さですね。
いただいた〇〇が涼を運んでくれました。」
たった一言でも
「あなたらしさ」を加えることで、
心のこもったお礼状になります。
お断りする場合の丁寧な伝え方例文3選
「来年からお中元を辞退したい」
という場合も、
相手の厚意を尊重しつつ
やんわりと伝える必要があります。
| 例文 |
|---|
| 拝啓
処暑の候、 このたびはご丁寧なお中元を賜り、 厚かましいお願いではございますが、 |
| 拝啓
晩夏の候、 このたびはご厚意にあずかり、 甚だ恐縮ではございますが、 |
| 拝啓
残暑の候、 毎年ご厚意を賜り、 大変心苦しく存じますが、 |
「今後とも末永くお付き合いを」
という一文を添えることで、
好印象のままお断りすることができます。
【Q&A】お中元お礼状のよくある疑問にプロが回答
お中元のお礼状について、
「これってどうすればいいの？」
と迷う場面も多いですよね。
この章では、
よくある3つの疑問に
プロの視点でお答えします。
お礼状を代筆してもらうのは失礼？
結論から言うと、
代筆自体は失礼ではありません。
ただし、
「誰が代筆したか」を
明記することがマナーです。
| 代筆者 | 記載方法 |
|---|---|
| 妻が代筆 | 差出人名の隣に「内」と書く（例：田中一郎 内） |
| 部下が代筆 | 差出人名の隣に「代」と書き、下に部下名（例：田中一郎 代 佐藤花子） |
代筆の場合でも、
できれば手書きで一言添えると、
より丁寧な印象になります。
高額なお中元へのお返しは必要？
お中元は
「目下の人から目上の人へ贈るもの」
とされているため、
基本的にお返しは不要です。
しかし、
どうしても気になる場合は
以下の方法で対応しましょう。
- 「御礼状＋電話」で
感謝の気持ちを丁寧に伝える - 時期をずらして別の形でお礼
（秋の贈り物など） - お返しをする場合は、
相手に気を遣わせない価格帯
（同額〜3割程度）にする
形式より
「感謝の気持ちをどう伝えるか」
が大切です。
今年限りでやり取りを終えたい時のマナー
お中元のやり取りを
「今年限りで終わりにしたい」
と考える場合、
相手に失礼のない伝え方が必要です。
ポイントは3つ。
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| まず感謝を伝える | 「いつもご丁寧なお心遣いをいただき、 ありがとうございます」 |
| やんわり辞退する | 「今後はどうかご放念くださいますよう お願い申し上げます」 |
| お付き合い継続を伝える | 「今後とも変わらぬご交誼をお願い申し上げます」 |
「感謝＋辞退＋今後の関係維持」
の3点セットがポイントです。
まとめ：8月のお中元お礼状で心を伝えるポイント
お中元のお礼状は、
単に「ありがとう」と
伝えるだけではなく、
相手とのご縁を深める大切な手紙です。
8月のお礼状で押さえるべき3つの鉄則
| 鉄則 | ポイント |
|---|---|
| 1. 早く送る | 受け取ってから3日以内が基本。 遅れた場合はお詫びの一文を必ず添える。 |
| 2. 季節感を大切にする | 「残暑の候」「処暑の候」など、 8月らしい時候の挨拶を使い分ける。 |
| 3. 気遣いの一言を忘れない | 「体調を崩されませんようご自愛ください」など、 相手を思いやる結びの言葉が重要。 |
相手別で意識したいポイント
- ビジネス相手には
「形式美と礼節」を重視 - 親戚・恩師には
「丁寧な言葉遣い＋具体的な感想」を - 友人には
「素直な感謝と親しみやすい表現」で
メールやLINEで送る場合でも、
しっかりと時候の挨拶＋お礼＋気遣いの
3点セットを入れることが大切です。
お中元お礼状は「あなたの人柄」が伝わる手紙
たとえ形式的な挨拶文であっても、
最後に「あなたらしい一言」
を添えるだけで、
温かみが伝わるお礼状になります。
今年はぜひ、
例文を参考にしながら
「あなたらしい感謝の気持ち」
を込めたお礼状を送ってみてください。
